このコーナーでは、色彩計画家・吉田愼悟をはじめ、経験豊かな当社スタッフが新しい建築物や土木構造物、プロダクト、グラフィックなどの色彩をテーマに記事をブラッシュアップしていきます。
川崎市臨海部では、色彩を積極的に用い、活気に満ちた親しみやすい工場地の景観づくりを進めている。川崎市では、企業の個性を尊重しながら統一感とメリハリのある色彩景観を形成するため[臨海部色彩ガイドライン]を策定すると同時に、[色彩デザイン支援事業]として、各企業の施設設備の新設や改修時に専門家を起用したデザインを提案する取り組みを進めている。 地域の景観形成にあたり、多くの自治体では、審議会やアドバイザーの起用などを制度化しているが、個別の民間事業のデザインにまで踏み込んで質の高いデザインを提供している例はほとんど見られない。審議会やアドバイザーなど間接的な関与と比較して、支援事業では施設設備のデザインに専門家が直接関与するため、個々の特性や周辺とのバランスを加味した、より積極的なデザインを実現することができる。