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このコーナーでは、色彩計画家・吉田愼悟をはじめ、経験豊かな当社スタッフが新しい建築物や土木構造物、プロダクト、グラフィックなどの色彩をテーマに記事をブラッシュアップしていきます。

川崎市臨海部│かわるかわさきの工場群


川崎市臨海部では、色彩を積極的に用い、活気に満ちた親しみやすい工場地の景観づくりを進めている。川崎市では、企業の個性を尊重しながら統一感とメリハリのある色彩景観を形成するため[臨海部色彩ガイドライン]を策定すると同時に、[色彩デザイン支援事業]として、各企業の施設設備の新設や改修時に専門家を起用したデザインを提案する取り組みを進めている。
地域の景観形成にあたり、多くの自治体では、審議会やアドバイザーの起用などを制度化しているが、個別の民間事業のデザインにまで踏み込んで質の高いデザインを提供している例はほとんど見られない。審議会やアドバイザーなど間接的な関与と比較して、支援事業では施設設備のデザインに専門家が直接関与するため、個々の特性や周辺とのバランスを加味した、より積極的なデザインを実現することができる。




▲市民コンペによってデザインされたセメントサイロと倉庫




▲石油等のタンク(デザイン:カラープランニングセンター)




▲トンネル導入部側壁と廃棄物処理場
(デザイン:カラープランニングセンター)



▲ブルーのグラデーションによってトータルデザインされた
 タンク、煙突、護岸(デザイン:カラープランニングセンター)

今春改修したばかりの新日本石油化学・川崎事業所の万年塀は、市の支援事業の一環として当社がデザインを担当した。
総延長約1kmにもおよぶ万年塀は、地形の起伏や設置年代によって、部材の高さや幅が異なるため、現場判断による融通性のあるデザインが期待された。
このため、コンクリート板単位での塗り分けを基本とし、同色相のグラデーションによって、臨海部にふさわしい波形のリズムを編成するデザインを提案した。
新日本石油化学は、eneosの商標で知られ、オレンジ色が企業カラーとなっているが、当初から自己主張よりも周辺との調和を優先するポリシーをもっており、今回の提案でもブルーグリーン系の色相が採用された。今後は、緑化の充実やより開放感のある塀・柵などへの改修などを進め、明るく親しみやすい景観づくりを進めていくことが検討されている。



▲改修前の万年塀







▲改修後の万年塀(デザイン:カラープランニングセンター)






▲リズミカルに変化するブルーグリーンのグラデーション(デザイン:カラープランニングセンター)

自治体による創意に満ちた提案制度と専門家のノウハウ、そして、それに賛同し色彩デザインを積極的に採り入れる企業との協力により、川崎市臨海部は、かつてのグレイッシュで閉鎖的な景観から、エネルギッシュで親しみやすい色彩に満ちた景観へと変貌しつつある。(T)

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▲第3回 川崎市臨海部│かわるかわさきの色のページへ
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