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このコーナーでは、色彩計画家・吉田愼悟をはじめ、経験豊かな当社スタッフが新しい建築物や土木構造物、プロダクト、グラフィックなどの色彩をテーマに記事をブラッシュアップしていきます。

小田原市│全国初!景観法対応の環境色彩基準


2月1日、小田原市が景観条例を施行した。
景観法に基づく景観行政団体の認定を受け、全市を景観計画区域とする委任条例の施行は全国初の試みとなる。
小田原市では、これまでも景観条例(自主条例)に基づく景観誘導を実施しており、建築物の色彩等も事前届出と助言・指導をベースに、城下町にふさわしい景観形成を進めてきた。
しかし、小田原城の眺望景観において重要な位置に、城下町の雰囲気にそぐわない派手な高層集合住宅が市の勧告を無視して建設されるなど、自主条例の限界を露呈する事例も見られた。
このため、色彩については景観法を活用した実効性の高い誘導が出来るよう、特に注力して計画案を検討した。
当社も環境色彩のパイオニアとして、知見と技術を注ぎ、景観行政のフロントランナーを標榜する小田原市にふさわしい色彩のあり方を提案した。
景観計画では、建築物・工作物等の色彩について、従来の精神規定を超えて、景観法運用指針に則った明示的・客観的基準としてマンセル表色系に基づいた数値指標を提案している。また、景観法をベースとした景観計画では、全国で初めて屋外広告物(屋外広告物条例で指定)や日よけテント、自動販売機などの色彩についても明示的・客観的な色彩基準を示している。




▲現況の問題を集約したイメージ図




▲条例による色彩基準適用後の改善イメージ図


マンセル値によって景観の色彩をコントロールする考え方は、現在では、全国各地の自治体で普通に採り入れられている手法だが、世界的にも珍しい一歩進んだ景観誘導の考え方といえる。当社は、1980年代にこうした手法を開発し、以来20年以上にわたって全国各地の景観形成活動の中で、こうした手法を発展させてきた。
景観は、それに関わる人びとが相互に協力して育むべきものであるが、そうした協調をみだすネガティヴ要素に対する対抗策を事前に検討しておくことも必要な時代になってきた。残念ながら地域の創意よりも、個々の主義・主張を優先する企業や個人が少なくないのが実情といえる。
ともあれ、建築物から屋外広告物、自動販売機に及ぶまで、[小田原の景観行政の目玉は色彩]と意気込むまちづくり景観課の皆様の活躍に大きな期待を寄せている。(T)

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